2005年10月14日

外貨預金との比較 その3 相場下落で儲ける

 このシリーズもずいぶん更新が滞っています。2つもブログを運営していたらどっちも中途半端になってしまいますが,仕方ないね。割り切っていきましょう。
 今回は,前回の外貨預金との比較エントリで最後に書いたとおり,相場が下落したときの大きな違いについて書きます。結論を先に言うと,外貨預金は「買い」しかできませんが,FXなら「買い」「売り」どちらも可能なので,相場が下落したときでも「売り」で儲けることが可能です。逆に「売り」をしてしまうことで損をすることももちろんあります。

 さて,商品性を考えれば明らかなのですが,外貨預金はあくまで「預金」ですから銀行に預ける性質のものです。我々は日本円以外のお金を普通なら持っていませんから,外貨預金をするときは銀行にドルを売ってもらって(我々は円を売るわけです)そのドルを銀行に預けるという作業が必要になります。必然的に,我々は外貨を「買う」ことしかできないわけですね。

注)海外旅行で余った外貨を店頭に持っていって自分の外貨預金口座に入金してもらおうとすると,なんとそれだけで2,000〜3,000円の手数料をとられますからご注意ください(専門用語ではリフティング・チャージと言います。1万ドルぐらいの単位なら無料にしている銀行はあります)。海外での買い物は極力,カードかT/Cで済ませましょう。

注)このとき外貨をわざわざ銀行に売って,その後円高になってから買い戻してもかまいませんけど(「売り」みたいな状態)二回とも高い手数料を取られるのと,買い戻した外貨の使い道がないのと,いろいろ考えるとほとんど無意味ですね。

 じゃあどうして外貨も持っていないのにFXでは「売り」なんてことができるのでしょうか?
 この答えも商品性を考えれば明らかです。FXは正式には外貨証拠金取引と言いまして,外貨預金のような実資産の売買ではなくて証拠金を担保にした「信用取引」なのです。例えば一般的な業者であれば,手元の10万円を担保にして1万ドル(約115万円)の売買ができるようになっていて,利益を確定したり損失を確定させたりする反対売買を行ったときに差額を決済する仕組みです。差額決済だから,別に外貨を持っていなくても売れるんです。買い戻したときの差額を受け取ったり支払ったりするだけですから。

 例で見ていこう。実際に僕が今週行ったディールです。
 今週,僕はUSD/JPYは先週上昇した調整が入るはずだと見込んで(要するに相場が割高だと思って)「売り」を仕掛けました。ちなみに「売り」の状態をショートポジションと言います。
 USD/JPY @114.27 70,000 SELL

 実際に70,000USD用意しようと思うとこのレートで7,998,900円必要ですが,これに必要な証拠金は僕が使っている業者なら700,000円で済みます。つまり,担保資金700,000円に対して実際は7,998,900円の取引をしていることになります。割り算をした11.427倍という数字がいわゆる「レバレッジ(てこ)」です。

注)ギャンブルならともかく,実際はこんなギリギリのレバレッジで相場に挑むことはありません。業者に差し出している担保の総額を例えば2,000,000円とすれば,レバレッジは3.999(=7,998,900÷2,000,000)になります。

 このショートポジション,僕の読みが外れて相場はどんどん上昇を始めました。こういう場合は損切りをして損失の拡大を食い止めるのが常道ですが,僕は@115.00で一旦戻ってくるだろうと読んで,ここにさらなる「売り」の指し値(Leave Order)を置いておきました。
 USD/JPY @115.00 50,000 SELL

 今朝起きて相場をチェックしてみると,読み通り,@115.00の指し値がヒット!
 @114.27のショートポジションと加重平均して,
 USD/JPY @114.57 120,000 【SHORT】 となっていました。

 さて,実はもう一つの指し値を仕掛けていました。
 USD/JPY @114.68 30,000 BUY

 反対売買の「買い」です。これもヒットしていたのです。このときの損益は次のように考えて計算します。
 1ドル=114.57 で30,000ドルを売りました ・・・ 30,000×114.57円
 1ドル=114.68 で30,000ドルを買いました ・・・ 30,000×114.68円
 安く売って高く買ってますから損が出ています。円ベースの差額が損失になりますから引き算をすると,
 30,000×(114.57-114.68)=▲3,300円
 になります。つまり3,300円の損失を確定させたわけです。

 着いてきてますか?実際は120,000USDのショートだったうちの30,000USDだけ決済したので上のような計算になっています。ちょっとややこしいかな。他にも,なぜ114.68に指し値を置いていたのかという疑問が湧くかと思いますが,これはいわゆる相場観です(あまり当てにはしてませんが)。これより下には行かないだろうと思ったので一旦ポジションの一部を損切りしようと思っただけです。次に書くように,結果的にはもっと下がったのです。

 さて,嬉しいことに相場はさらに下がっていったので,残り@114.57の90,000USDショートをすかさず決済しました。
 USD/JPY @114.51 90,000 BUY

 上と同じように考えますが,安く買って高く売ったことになりますから利益になりました。しかも決済した単位がさっきよりも3倍の90,000USDです。利益は,
 90,000×(114.57-114.51)=5,400円
 になります。上と合わせれば,5,400-3,300=2,100円の利益を出して,このヤバいポジションを完全にクローズすることができたわけです。
 
 @115.00でさらにショートを積み増しするというのは,いわゆる「ナンピン」という一番やってはいけない手法なのですが,結果オーライでした(っていうか@115.00は大きな壁だからなかなか越えられないだろうという見方が趨勢でしたから,ある程度自信をもってできた決断でした)。
 先週はEUR/JPYのショートで98,210円の損失を出していますから,ショートには懲りていたつもりなんですがねえ。僕の相場観なんて本当に当てになりません。ま,今週は下手すると大けがしたかもしれないポジションを無難にクローズすることができただけで良しとしましょう。

 さて,現物資産の売買である外貨預金と,信用取引のFXの決済面での大きな違いがお分かりいただけましたでしょうか?ポイントは「差額決済」でしたね。
 上の例で言えば,まず損失を確定させた3,300円を業者に支払います。それから利益の5,400円を業者から受け取ります。この資金移動があるだけです。しつこいですが,7,998,900円が動くわけではありません。もちろん外貨預金で70,000USDも取組むのならこれだけの金額を用意する必要がありますよ。しかも銀行に支払う手数料1円分をくっつけてね。

注)本当は,レバレッジを効かせている分は理論上借金をしているので,その分の金利調整をしないといけません。つまり上の場合,USDを借りて円を買っているわけですが,USDの方が金利が高いので,このショートポジションを持ち続けるには金利を払わないとイケナイのです(スワップポイントといいます)。ちなみにもらえる円の金利はゼロです(ゼロ金利だから)。
 逆に高金利通貨をロング(「買い」の状態)しているときは,円を借りて高金利通貨を買っていますから,ゼロ金利を払って高金利を受け取っているというわけです。相場観のない僕が高金利通貨ロングを基本戦略に据えているのはこういう理由があるのです。


 信用取引って聞くとヤバいニューズがちらほらと頭をよぎりませんか?コーヒー豆だとか原油だとかの商品先物取引なんかがよくトラブルのモトになってますよね?そのとおりで,信用取引はリスクコントロールを自分自身でできる人でないとやってはいけない取引なのです。できない人は負けがこむとすぐに「追い証」って言って追加担保をどんどん提供しないといけなくなります。
 FXも例外ではありません。ただし,一般的な業者は「マージンコール」って言って追い証が発生する直前で無理やりポジションを閉めるオプションを常備していますので,実際には追い証を請求されることは少ないですが。
 証拠金は余裕を持って,無茶なポジションを持たないようにしないといけません。当たり前ですが,外貨預金はそんな心配いりませんよ。あっ。でも銀行が破綻したら最悪1円も戻ってきませんね。ペイオフ対象外ですから。

注)FXも業者が破綻したら証拠金が戻ってこないというリスクがあります。このトラブルが実際にちょくちょく起こっています。だからFXをされる場合はしっかりした業者を選ぶ必要があります。僕が使っているセンチュリー証券とかひまわり証券トレーダーズ証券セントラル短資などは信託財産の分別管理という法的に一番安心できる方法で管理しているので,これらの業者が仮に破綻したとしても証拠金は保全されます(その分ということなのでしょうけど,一般の取引手数料はわずかに他業者より高く設定されています)。
 また,今年7月から「くりっく365」という制度ができています。これに参加している業者も同じ仕組みを使って保全されていますので安心です。これについてはまた別途紹介しましょう。


 今回の話の中で「レバレッジ」という倍率が出てきました。FXのリスクマネジメントはこれに尽きます。ということで次回のテーマは「レバレッジ」にします。



現在のポジション
GBP/JPY  20,000 BUY @200.341
AUD/JPY 100,000 BUY @ 86.185
NZD/JPY 160,000 BUY @ 79.441
実効レバレッジ 3.68倍

※今週は随分と利益確定させたのでポジションはけっこうしぼんでいます。今の段階でロングは仕込みにくいのですが,適度に指し値を入れながら底値をさぐっていくとします。
posted by 隼人魂 at 23:47| 鹿児島 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | FX取引への誘い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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